ヒト起源について、NO-3

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RE DNさん

全体的なニュアンスとして、私もDNさんの見解に共通性を感じます。
私はやはり「人間」は特殊な動物だと思っています。

チンプ、ボノボとヒトは祖先を共有しています。そしてその共通祖先はゴリラとも祖先を共有しています。
注目すべきは、チンプ、ボノボから見て、種として一番近い親戚は、ゴリラやニホンザル等、他のどの「サル」でもなく、人間だと言うことです。事実チンプとヒトは、99%近い遺伝子的な共通性を持っていると言われています。
本来はその近縁度を反映して、外見・行動様式などが、ヒトとチンプで最も似通っているべきですが、現実はヒトだけが、取り分け行動様式の点で飛びぬけて特殊です。

つまり、A と言う共通の祖先から A1、A2、A3 と言う順序で、種が分岐したことが分かっていたとして、A1とA3は比較的似ているのに、A2だけがとんでもなく違っていると言うことは、普通は有り得な い。この有り得ないことが人間とチンプ、ゴリラ、そして他の全てのサル達の間で起こっている事態です。

この特殊性がどこから来るのか?、つまり「人間とは何か?」と言うのが目下の私の大きな問題意識である訳です。
私はこの特殊性を作り出した要因を、「道具」と「言葉」だと思っています。
そしてそれを可能としたのが、他でもない「直立二足歩行」であった、と考えています。
直立二足歩行によって、歩行から開放された前肢(手)によって道具の使用・作成が可能になっただろうし、前肢にますますの道具使用の機会を振り分けることで、より前肢が歩行の用から遠ざかったのでしょう。そのように相携えて、ヒトは直立二足歩行を洗練させて行ったのだと思います。
その点で、DNさんのご指摘には、いたく共感します。

ただ、「最初の一歩」のキッカケまで道具の使用・作成に負うのはやや無理があり、やはりそこには進化生物学的な要因をどうしても考えざるを得ない、と言うことで、私はその契機・メカニズムとしてアクア説に納得している次第です。
やはり直立二足歩行の契機を説明できない「人類起源説」は意味が無い、と言うのが私の思いです。

なお、近年の分子生物学の知見によって、アクア説の「物的証拠」が出た、とモーガンは述べています。私が読んでも結構説得力を感じるところです。
その辺を含め、モーガンの主張するアクア説のシナリオを、今度一回まとめてご紹介してみようと思っています。尤もモーガンの著作を読んで頂ければ、私の紹介など無用な訳ですが。

専門家でも立場や見解が異なる中、ここでもさまざまな主張が提示されています。それで結構なんだと思います。進化生物学門外漢ながら、私も随分勉強になりました。

RE SN30さん

>プロコンスルは約1800万年前。サンブル・ホミノイド改めSamburupithecus kipthalaniは約950万年前。
時代が全然違う共通祖先を「いずれにしても大差は無い」というのは無茶

本当ですか???
私は「大差は無いでしょう」と書いて有るのですが、無茶かどうか、思考実験をして見ましょう。

隣のプロコンスルを、私が間違って「隣に居るのは現生チンパンジーです」と紹介したとして、SN30さんは、その「大差」を直ぐに見抜けますか?
ましてプロコンスルと同じ、森の住人であっただろうサンブルピテクスの、骨格を想像復元して隣において、その「大差」を、SN30さんは即座に見抜ける自信が有りますか?
この時代の近縁霊長類、例えばナチョラピテクスなどの化石骨格を見ても、その差は私には全く分かりません。
そう言う意味で「大差はないでしょう」と書いたのですが、何か「無茶」なことでも有りますか?

そもそも、置かれた生息環境に依存する野生動物と、道具を使って環境を変え、環境依存からの脱却を果たした人間とでは、その変化のスピードがまるで違うんですよ。
「時代の違い」のタイムテーブルが、人間と野生生物ではまるで違う訳です。

人は例えばルーシーから、現在まで310万年の間にも、大きく変化しました。でもおそらくチンプは分岐以後700万年、基本的には「大差」の無い姿で経過していると思います。
今では違う種とされるボノボとの間に、歩行法の上で「大差」など殆ど見受けられませんしね。

こう言う問題は野生生物の状況を考えれば、直ぐに分かることだし、動物行動などを見る際、人間中心に考えるのは、気をつけなければならない落とし穴だと言うことは、よく言われることなんですけどね。
「『いずれにしても大差は無い』というのは無茶」とするSN30さん、その無茶の根拠を、具体的な資料に基づいて私に納得させて下さい。

>最節約的に考えれば,「ヒト・チンプの分岐直前の共通祖先」は
    『チンプと同程度には』二足歩行に洗練していたと思いますよ

本当ですか???
共通の祖先が暮らしていたのは一体どう言う環境だか、考えた上でのことですか?

950万年前のアフリカは、大地溝帯の活動が一部で始まったばかりの頃でしょう。当然サバンナなど形成されず、密林に覆われていたことでしょう。
だからこそ440万年前と想定されるラミダスの化石でさえも、森林の痕跡を示すさまざまな化石と共に発掘されているのです。
ましてトゥマイにしてなお、です。サバンナの痕跡などまるで見当たりません。

専ら樹上生活に特化していただろう、共通祖先にあって、確かに樹上での対応は現生チンプより「洗練」されていたかも知れませんが、私には断じて「チンプと同程度に」二足歩行に洗練されていたとは思えません。
それが、あのプロコンスルの骨格じゃないですか。
最節約だかなんだか知りませんが、SN30さんの、「思いますよ」の具体的根拠を、実際の化石なり、観察記録なりを示しながら、どうして思うのか、論証して下さい。

>ホッキョクグマの件。

ホッキョクグマの件は知りません。形態的・生態的差異は、置かれた環境によって違ってくるでしょうね。そう言うことは当然ありうることだと思いますが。
ただ「A2だけがとんでもなく違っている」と言うときの、人間と他のサル全てとの違いの度合いは、単に形態的・生態的差異の違いでは有りません。

SN30さんは、アフリカやスマトラの密林に住むサルたちと、ニューヨークや丸の内の高層ビルで働く、ビジネスマンやOLを見て、単に形態的・生態的差異程度だと思いますか。
月に人を送り、太陽系の内奥まで窺おうとする人間と、単に形態的・生態的差異程度だと思いますか。

お願いします。生物学一般のお話をしているのでは有りません。話の流れから外れた、片言節句の解釈に、必要以上に拘らないで下さい。
何回も言っているように、個人的認識、見解の相違で結構です。一人で何人も相手をせざるを得ない立場もお考え下さい。
SN30さんのお考えはお考えとして結構です。名指しをされると、いくら瑣末な問題でも無視はできません。

RE 猫 さん

>「必要があれば直立する」はよくわかるんだけど、「必要があれば直立二足歩行する」はぜんぜんわかんにゃーです。

ミーアキャットが必要に迫られて、きれいな直立姿勢をとるのは事実です。これは必要に迫られてです。
その際、若し二足で歩く必要(淘汰圧)に、死活的に迫られた場合、その直立姿勢から一歩踏み出して歩き出すのに、私は何の不自然も感じません。
それとも猫さんは、立ちすくんだまま絶滅するのが自然だと仰るのでしょうか。

二足歩行に踏み出す際、その直立姿勢は二足歩行の前適応になっているでしょうね。ブラキエーションなどの、アヤシイ前適応と違って。
しかし残念ながら、ミーアキャットに二足歩行の必要性は全く有りません。それは他のサバンナ性動物全てに共通なように、四足歩行で何の問題もないからです。

ヒトだけが、サバンナに進出した時、わざわざそれまでの歩行方法を捨て、二足歩行を進化させたと言うのです。その明確な理由をいまだかってここで聞いた覚えが有りません。
その一番の中心テーマに触れぬまま、議論されるのはその周辺の、私からすると瑣末な問題ばかり。猫さんが、そうだと言う訳じゃ有りませんがね。

なお、これから月末、月始で、忙しくなります。
繰り返し述べているように専門家でさえ意見が分かれている問題で、後は「見解の相違」と言うことで、逐一のコメントは勘弁して頂きます。

RE ahさん

食事の合間に、酒を飲みながら………。

>雄さんが言っているのは、「ヒトとチンパンジーは独立に二足歩行を進化させた」ということですよ。

今はハッキリそう思っています。
だからこそのアクア説です。そのメカニズムの紹介は機会と時間を見て致します。

チンプらが時おり見せる直立二足歩行と、ヒトのそれとは、構造的に全く異なる、と言う専門家の見解も有ります。そう言われれば、チンプやゴリラに腰痛や難産、静脈瘤、椎間板ヘルニアなど聞いたことが有りませんでしたね。

>チンパンジーの生息環境のどこに、下手すると二足のほうが経済的なほど、二足歩行を進化させる淘汰圧があったんでしょう?

私は単に、どちらも妥協の産物だ、と言っただけですが。
樹上と平地の両方を生息環境としている以上、当然のことだと思いますが、それが何か?

RE mkさん

>え?

>>18-20でmkに質問に答えさせておいて、mkの質問(>>19)には答えないでドロップアウトする、って読めますけど、まさか違うよね?
月末月始が過ぎれば質問には答えてもらえると受け取っていいんですよね?

既に述べている通り、殆ど水掛け論の様相で、今までの「長い長い」私の書き込みで対応できていると思っていますので、特に気にしていませんでした。

例えば、

>さて、それじゃ私の質問にも答えていただきましょうか。
1.直立二足歩行に「なれなかった」ヒヒについて、そのことによる不都合は何か?の質問の意図が分からないので、その辺について触れている投稿を教えてください。

mkさんは「ヒヒは直立二足歩行できる下地がなかったから直立二足歩行になれなかった。」と、2で、書いていますよね。「なれなかった」と。
素直に読み取れば、「本来直立二足歩行になるべきだったのだが、(下地―mkさんの言う前適応がなかった為)なれなかった」としか読めません。
だから、その、なれなかったことによる不都合は何か?と聞いたのですが、自分の書き込みに関わる事情さえ飲み込めないらしい。その辺のmkさんの問題意識の軽さに、今ちょっとお付き合いしかねる。と言うことです。

或いは、
>仮に、「チンプも実はかつて常時直立二足歩行を獲得していたが、後に二次的に二足歩行を失っていた」なんてことが明らかになったらどうします?

こう言う「超越的理論」について、頭の中だけのおとぎ話、空想物語と言いたい訳です。少しでも、化石や進化人類学の書籍をかじったものなら、絶対出てこない珍論です。
化石発見に至る底知れない苦労や、地道なフィールドワークに思いを致せば、怒りさえ感じる軽さです。

だからこれも………、
若し本当にmkさんの主張が正しければ、これはもう「アクア説」など、ハダシで逃げ出す程の、進化人類学上の革命的理論です。mkさん、まあせいぜい頑張って下さい。
としか言いようがないのです。

逆に、繰り返し生存年代や、専門家の解説も含めて指摘している次の私の質問………、
>>ラミダスやトゥマイによって完全に破綻したサバンナ説の後、そもそもサバンナに進出したとするヒト(そしてヒトだけが)は、何故、サバンナで四足歩行を捨てなければならなかったのか?

については、
>知りません。現在では証拠不十分です。

と、にべもありません。
これでは、そもそも意見交換の意味さえ有りません。

私は、mkさんと違って頭の中だけでなく、一応書籍などで、研究者の苦労の結果である「事実」に当たります。だから結構、コメントに時間が掛かります。とてもmkさんの頭の中に迄、お付き合いは致しかねる、と言うのが今の感想です。

と言うことで、mkさんとは「見解の相違」と言うことで良いんじゃないですか。
事実に基づいた、新しい論点が有りましたら、コメントさせて頂きます。

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このページは、が2007年8月30日 15:41に書いたブログ記事です。

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