最初のログが既に消えていました。それもあってのログです。
途中からの掲載になります。
前適応についての長い書き込み、ご苦労様でした。
しかし、やはり私には特に新味を感じません。8/1付け私の投稿で殆ど対応済みだと思っています。
今度は長い書き込みになっても構わない、とのことらしいですので、改めて転載してみます。
【前適応とオッカムの剃刀】
mkさんからコメントを頂いています。反論も含めて、特に前適応について。
>>それから、これも繰り返しになりますが、それ程メリットのあることなら、常に飢餓と隣り合わせの野生のヒヒやパタスモンキーで、何故発達しなかったのか。
>彼らには前適応が起こらなかったからです。
彼らはブラキエーションを発達させませんでした。
そしておそらくは腕の関節の関係でしょう、手を補助的に使う二足歩行も発達しませんでした。
ホントですか?
チンプ、オランウータン系列の共通祖先は、樹上生活の中で前適応を発達させていた為、サバンナに出たヒトは直立二足歩行を、最初の一歩から省エネで歩き始 めることが出来たのに、ヒヒやパタスモンキーなど、同じくサバンナに出たサル達の祖先は、森の中で樹上生活をしていたとき、揃いもそろって前適応を一切発 達させず、その為サバンナと言う同じ環境で有りながら、ヒヒ達には直立二足歩行の萌芽さえ見られない!!!
俄かには信じられないことです。それほど前適応って、強力な切り札なんですか?
それにブラキエーションは、背骨に掛かる負荷が地上での直立姿勢と対極になり、前適応とはなりえない、と言う説も有ります。
しかし、まあいいです。ここではより基本的な考え方について、私の意見を述べてみます。
私は前回、「いくら前適応を発達させていたとしても、本行動そのものの必要性、移行への必然性が無いとき、前適応としての意味は全く成さない訳で、私としては前適応と本行動とを、同列に扱うことには反対です。」と書き込みました。
進化の基本的な要因は、「突然変異」と「自然選択」でしょう。
前適応に意義がないなどとは言いませんが、あくまでも副次的なものです。前適応が全くなくてもこの二つが揃えばその方向に進化が進むでしょう。
ヒトの祖先に、直立二足歩行を促す突然変異が有ったとしたら、それはヒヒやパタスモンキーその他サバンナに住む霊長類の祖先にも、おそらく同じ頻度で起こった筈だと私は考えます。突然変異はランダムだからです。
にも関わらず、ヒトとこれら近縁種の間で全く違った形質や行動が発達したとしたら、私は自然選択、つまり淘汰圧が違っていたと判断します。一言で言えばおかれた環境が違った、と見ます。
ある現象を説明するとき、なるべく基礎的、普遍的な要因で説明しようとするのが、「オッカムの剃刀」なんじゃないですか?
そして基礎的、普遍的な要因で解釈できるとき、わざわざ前適応なんて副次的な要因を持ち出さざるを得ない「反論」って、説得力に欠けるんじゃないですか?
しかも、その同じ前適応の成果で、「エネルギー効率の点で恩恵を受けるに充分なほど二足歩行に習熟している…」チンパンジーが、二足歩行に移行しない理由を、
>エネルギー効率の良さが(デメリットを覆すほど)有利にならない環境に暮らしているからだと説明できます。
…と、今度は環境に求めている。
副次的な要因で説明しようとすると、どうしても「ご都合主義」になりがちだと思う「今日この頃」です。
mkさんは、
>ヒヒは直立二足歩行できる下地がなかったから直立二足歩行になれなかった。と書かれています。「なれなかった」と。
つまりヒトと同じ淘汰圧下、本来直立二足歩行になるべきだったのだが、前適応が無かったが為に、四足に甘んじていると言う訳です。
私は、ヒヒは他の全てのサバンナ動物と同じく、サバンナと言う環境で直立二足歩行を発達させる必然性・必要(淘汰圧)が、全く無かったからだ、と理解します。
mkさんは、ヒヒが直立二足歩行に「なれなかった」為に、過去から現在に渡って、不都合を来たしたで有ろう事柄を、幾つか挙げられますか?
実は、サバンナでも結構きれいな直立姿勢を示す動物はいます。
他でも有りません、パタスモンキーは危険察知の為、立ち上がって周囲を見渡すことはしばしばあります。サル以外でも、プレーリードッグやミーアキャットなどがきれいな直立姿勢を取っているのを、映像や写真で見かけます。
mkさんはサバンナ性サルたちは、前適応が無かった為直立二足歩行を発達させることができなかった。と述べていますが、必要が有れば(淘汰圧が掛かれば) 少なくとも直立姿勢は取れるのです。さらに必要が有ればそこから一歩踏み出して歩行をすることに、骨格上何の障害も無かったでしょう。
直立はするが歩行はしない、と言うのは、遠くを見渡す為には直立以外に方法が無く、二足歩行が発達しなかったのは、四足歩行で何の不都合も無かったからです。つまり自然選択に則った行動様式が、そのまま発達したに過ぎません。
mkさんは、プレーリードッグやミーアキャットの祖先種において、直立の前適応を発達させていたと主張されますか?
上の引用でも述べていますが、片方でヒヒなどはサバンナという(ヒトと同じ)環境下で、直立二足歩行が発達しなかった理由に前適応を上げ、片方で前適応の成果で二足歩行に習熟しているチンプが二足歩行に移行しない理由として環境(淘汰圧)を挙げている。
こんな論法が許されるのなら、どんなことでも好きなように説明可能です。
更に、ブラキエーションは重力的な負荷の点で、直立姿勢と対極になり、前適応になり得ない、と言う立場に私は賛成です。
それは直立姿勢によって起こされた椎間板ヘルニアによる腰痛治療に、牽引やぶら下がりなどが使われると言うことを見ても納得の行くことです。
なお、椎間板ヘルニアは、四足動物には無い筈です。これも直立二足歩行によってヒトが支払っているつけの一つです。
>・チンプは今でも、四足で歩くのと同程度に二足歩行に洗練している。
これは有る意味で当然です。チンプの生息場所は樹上と地上の両方です。つまりどちらも妥協の産物だと言えるかも知れません。短時間ならどちらも使い分けるでしょう。
問題は、「もっぱら」直立二足歩行に特化したのは、ヒトだけだ、と言うことです。
mkさんにお伺いします。
チンプを含むあらゆるサルたちの中で、只の一件でも良いですから、「お得意の」二足歩行に特化した個体の観察事例が有ったら教えて下さい。
或いは、60億の人類のうち、特別の障害が無く、もっぱら四足歩行に特化した個人の観察事例が、一件でも有ったら教えて下さい。
>ここからストレートに導かれる結論は
「ヒト以外の類人猿(ヒトとチンプの共通祖先含む)でも、十分に二足歩行に習熟しており、共通祖先の二足がおぼつかないヨチヨチ歩きなどというのは単なる思い込みである」
ヒトを他のサルたちと区別する一番の指標は「直立二足歩行」です。
発見された化石に、その痕跡が認められればヒトに区分し、認められなければヒトには区分しません。
>ヒト以外の類人猿(ヒトとチンプの共通祖先含む)でも、十分に二足歩行に習熟しており、
………と言う表現自体、ヒトの定義上論理矛盾です。
ルーシーの復元骨格の、コンピュータによる歩行シミュレーションを見たことが有ると思います。
ルーシーはアウストラロピテクス・アファレンシスに属し、ラミダスからでさえ130万年も歩行練習をして来た訳です。トゥマイからすれば、400万年も練習を積み重ねています。
それでもルーシーの歩みはおぼつかなく、ヨチヨチ歩きです。
背は前傾し、膝は伸びきらず、左右に体を揺らし、そして足が大きい為丁度アクアダイビングの足ヒレをつけているかのような歩き方です。
700万年前とも言われるようになったヒトの分岐以前、その共通祖先が「十分に二足歩行に習熟しており」とするmkさんこそ、化石や観察事例に基づかない「単なる思い込み」ではないですか?
そうではないと仰るなら、個人サイトなどからの引用や、5匹のチンプの短時間の実験結果などでなく、実際に発見されている化石、或いは世界中の研究グルー プによる、それぞれ数千時間に渡る地道なフィールドワークで示されている観察事例から、只の一件でも良いです、mkさんの主張を裏付ける根拠をお示し下さ い。
アクア説に関わる、例えば「水辺での化石」などの件は又、改めて書き込ませて頂きます。

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